探してたもの

探してたもの

寄せては返す波の狭間に探してたものは

遠い昔に置いてきた無邪気な心

砂浜を裸足で歩きながら

そう答えたあなたの言葉は ひどく私を驚かせた

失ってしまったと思っていた無邪気さは

消えてしまっていたわけではなくて

使命に追われ 時間に追われ いつしか深く埋もれていった

もう探さなくてもいいんだよ それはずっとここにあったから

ただ それを認めればいい 許した瞬間

彼女は子供になり赤子になり胎児になり細胞になり空になって

子宮に消えた

彼女はいない わずかな感触と温もりを残して

あの浜辺から 次の命へ